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往相図

九相図と呼ばれる仏教絵画がある。

死後の死体が朽ちていく経過を9段階にわけて描いたもので、【どれほど美しい人でも、最後は同じく無に還る】という諸行無常の様を表している。

30歳になった私は、自身の身体の衰えを感じるたびに九相図を思い浮かべるようになった。

そして死ぬまでの生き方、つまり人生についても強く意識するようになった。

 

本作は、草花が時間の経過に伴い枯れゆく様を、スリットスキャンと呼ばれる手法で記録している。

往生までの時間を記録することから、九相図を模して往相図と称した。

全ての人が同じ人生を歩むことはない。それと同様に、様々な美しい草花が年月を重ねていく姿は、我々の予想を超えた姿で生きてきた証を見せてくれる。

そして生きる過程の大切さも、我々に訴えかけてくれると信じている。

技法の詳細記載はこちら。

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